PER、株価収益率についていくつかのステップに分けて説明します。
【ざっくりとらえる】 PERとは?
PERは株価(Price)と収益(Earnings)の比のこと。
PERが高い場合、市場は将来の成長や収益性に対して楽観的な期待を持っており、投資家は高い収益を期待していることを示します。
一方、PERが低い場合、市場は成長性に対して慎重な見方をしており、企業の収益性が限定的であるか、将来の成長が鈍化している可能性があると判断しています。
検討するときに使えるポイント
同じセクターとの比較
PERを評価する際には、同じセクター(業界)内の企業と比較することが重要です。違う業界だと大きくPERが異なる場合があるので注意が必要です。
セクター平均のPERと比較することで、検討している企業が相対的に高く評価あるいは低く評価されているかを把握することできます。
一般的に、特定の企業のP/E比が業界平均よりも高い場合、その企業は市場の投資家からの高い期待を受けているといえるでしょう。
成長性を判断する
一般的にPERは成長性に関連していると言われています。
成長が期待される企業は、通常、高いPERを示す傾向があります。
将来的な収益の拡大や業績の向上が大きく期待される企業は、高いP/E比で取引されていることがあります。
逆に、成長の見通しが限定されている企業や、業績の鈍化が懸念・予想される企業は、低いPERで取引されていることがあります。
成長への期待に対するリスクを判断する
高いPERを示している企業は、将来の成長や収益性に関して市場から高い期待を受けています。
そのため、期待されている企業が市場の期待を下回り応えられない場合、株価が下落するリスクがあります。
投資家は、高いPERを示す企業が正当かどうかを慎重に評価する必要があります。
業績の不確実性や競争環境の変化など、潜在的なリスクを考慮し投資先企業を検討することも重要です。
決算発表によるPERの変動
PERは決算で発表される企業の収益情報と密接に関連しています。
企業の決算発表が行われると、EPSが更新され、それに応じてPERも変動します。投資家は、企業の業績や収益性がどのように変化するかを注目し、過去のPERの変動を把握することが重要です。
最後に
あくまでPERは一つの株価指標に過ぎないので、株式投資を行う際には他の指標やチャートとの総合的な分析・理解が重要です。
財務に関するデータ、業界の状況、経済全体の動向、同じセクター内の競合他社との比較など、様々な要素を考慮することが大切です。